無関心、やらされ意識、自己中は賃金制度を変えると改善する
社長が提示した目標に無関心
社員が会社の業績に無関心
やらされ意識
助け合わない…
こうした原因は社員さんにあるわけではない、僕はそう考えています。
では何が原因なのでしょうか?
それは「環境設定」に原因があり、責任は環境をつくったリーダーにあります。
人は置かれた環境で自分の行動を決めます。環境が変われば行動が変わり、意識も変わります。
正しい環境設定に変えれば良いだけ、そう考えています。
では、冒頭の課題をクリアする環境設定とはどういうものでしょうか?
これが決め手、といったものはなくいくつもの要因がありますが、今日は、その中でも一番影響があり、着手しやすい賃金制度についてご紹介したいと思います。
無関心、やらされ、助け合わない、これらの原因は環境設定が正しくないから
社長が提示した目標に無関心
多くの企業では、期の始まりに経営計画発表会をして、そこで社長が今期目標を提示していると思います。
その時の社員さんの本音は「できるだけ低い目標を言って欲しい」だと思います。
社長が独断で決めた目標は自分事になりません。
人は、自分が参画した分だけ物事を自分事にしますから、目標に参画していなければ無関心になっても当然だと思います。
これが「やらされ意識」に直結します。
では、目標設定に参画する有効な方法はどんなものでしょうか?
社員が会社の業績に無関心
業績と賃金が連動していなければ無関心になるのは当然だと思います。
儲かったら、その分賃金が増える仕組みが欠かせません。
これは同時に、業績が悪くなったら下がることを意味します。
制度がないと業績が下がった時に賃金を下げるのは困難です。
では、業績に連動した賃金とはどんなものでしょうか?
助け合わない
1949年にドイチェという学者が「競争と共同」という論文を出しました。
そこには競争と共創が起きる環境設定が書かれています。
競争は、一部の人だけが達成できる目標があると必然的に起こります。
共創は、1人では達成できない目標が設定された時に起こります。
助け合わない原因は、全員の力で実現する「全体目標」がないケースが多いと考えています。
社員個々に目標が分散され、自分の事しか考えられなくなっているのです。
さらに、ここに成績によって賞与や昇給が決まる成果主義、しかも競争原理に基づく制度があった場合、助け合いなんて起きません。
助けたことで、仲間の成績が上がったら、自分が下る可能性があるからです。
では共創が起きる賃金制度とはどんなものでしょうか?
上記の問題は環境設定=賃金制度で解決することができます。
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目標は社員の人件費から算出する
まず、目標を立てるなら、社員さんの人件費から考えることです。
社員の人件費→売上総利益→経常利益の手順です。
社員さんの人件費を最初に決めるのです。
これも社長独断で決めるのではなく社員さんとの話し合いで決めます。(←ここ重要)
次に、賃金制度の公式を使い、誰が計算しても売上総利益の目標が決まります。
悩むことは一切ありません。
公式に関しての詳細はこの記事をお読みください。
「社員のヤル気と自発性を高める目標設定はこうして決める」
ここで出た目標は、社長も社員さんも望む「統合された望み」です。
社長が人材の面で苦労するのは、望んでいない人を動かそうとするからです。
そうなるとアメとムチの使い分けが必要になり、経営が複雑になります。
社長も望む、社員さんも望む未来が設定されれば、経営は非常にシンプルになります。
だって、自分が望んでいることなのだから言われなくても行動するから。
個別の成功報酬、評価制度をやめる
成果主義がチームワークを破壊する事は、2000年頃に、こぞって大企業が取り入れた結果で分かります。
ブームに乗って多くの企業が導入しましたが、すぐにやめてしまいました。
「主義」をコロコロ変えるなんて変な話です。(制度は変えてもよいが)
成果主義は、決められたパイ(賃金の原資)を結果を出した社員と、そうでない社員とで傾斜配分します。
つまり全員A評価でも、全員C評価でも変わりないのです。
ABCと差がつくから原資が傾斜配分されるのです。
でも、これは「自分だけ意識」を生み共創を阻害します。
共創なきところに三人寄れば文殊の知恵はありません。
知恵の時代には不利な制度だと考えています。
というわけで賃金制度という環境設定を改善することで数多くの問題が改善します。
が…
実は、賃金制度によって社員のモチベーションが持続するにはもうひと工夫、必要です。
モチベーションは持って3ヶ月くらいです。
別のモチベーションにシフトチェンジすることが大切ですが、この件に関してはまた別の機会にお伝えしたいと思います。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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