社長は、日々小さくバカを見せると、後で大きく信頼される
今は知恵の経営が求められます。
顧客が求めるものが日に日に高度になっているからです。
例えば、昔はマニュアル通り「いらっしゃいませ〜○○へようこそ」と挨拶ができるレストランを素晴らしいと思ったものですが、今は当たり前で、おもてなしの気遣いが求められるようになった。
商売はハードからソフトに変わりました。
人間力、知恵の時代です。
どんなに気合いを入れようともアイデアがなければその先の努力はしようがありません。
知恵が出るかどうかは企業の未来を決める一大事だと思うのです。
今日の記事では知恵の経営を目指す上で欠かせない要件と、社長の役割について考えたいと思います。
社長が仕事中の別人格を演じると組織は硬直化する
以前に、あるコンサルタントがこんな事を言いました。
「今、元気がある企業は、社長を○○さんと名前で呼ぶ」と。
肩書ではないんですね。
あるいはこうも言いました。
「初めて会社にお邪魔すると、誰が社長なのか分からない」と。
僕はすごく納得しました。
元気な会社って社長が「普通の人」なんです。
社長の仮面をかぶっていない、鎧をまとっていないのです。
社長は仮面をかぶり鎧をまといます。
模範とならねば、ナメられないように…そんな事を思ってしまいます。
僕もそうでした。
あるいは、社員との間に埋められない溝があり、いつも緊張している社長もいます。
ある会社の社長は60代の、白髪のジェントルマンです。
趣味はバイクでカッコいいハーレーに乗っています。
ある日、コンビニで買い物をしていたらその社長が「ドッドッドッドッドッ」と爆音とともに登場しました。
ある日、その会社の社員さんが僕に相談に来ました。
社内がすごく窮屈で肩が凝ると言うのです。
仕事の話以外はしちゃいけない雰囲気があるそうです。
その雰囲気をつくり出しているのは他ならぬ社長でした。
社長は一切、プライベートを開示しないのです。
その社員さんにハーレーの件を話したら「マジですか?ハーレー乗りだとは知らなかった」と仰天していました。
僕は聞きました。
「もし、ある日突然、社長が革ジャンを着てハーレーで出社したらどう思う?」と。
嬉しい、彼はそう言いました。
小さくバカを見せると、後で大きく信頼される
大なり小なり、社長にはプライベートを開示できない心理があると思います。
あるいは自分の弱さを開示できない。
社長が仮面をかぶると社員もかぶります。
それが心理的な窮屈さ、緊張を生み発想の自由を奪います。
社長が少しでも自然体でいることができれば社員もリラックスできます。
リラックス状態は発言を活性化しますし、脳がクリエイティブになります。
例えば、日立製作所がこの件を調査しました。
その結果、職場にリラックスした空気があると社員のパフォーマンスが上がるという結果が出ました。
(テレマーケティングの現場で調査した結果、受注率が向上した)
研究ではリラックスが醸成される要因も調べました。
それによると「休憩時間中のワイガヤ」が影響を与えていたそうです。
要するに、休憩中に仕事以外のプライベートな話をしているということです。
休憩中はプライベートな話をしやすいですからね。
これは僕の推測ですが、休憩中は自己開示がしやすいので上司も素で会話ができたのだと思います。
プライベートの自分は、結構、情けない部分、弱い部分、可愛い部分があると思います。
仕事中の厳しい表情からは想像できない素のその人が垣間見れます。
素を見せても軽蔑されることはない。
ちょっとの勇気で肩の力が抜けた組織になるのだと思います。
日々、自分を大きく見せようとする、後で大きく軽蔑されることがある。
逆に、日々、小さくバカを見せると、後で大きく信頼されるのだと。
そんなものだと思うのです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!
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