「結局、絵に描いた餅で終わってしまう」…を防ぐ方法
「計画を立てたは良いが、結局、絵に描いた餅で終わってしまう」…そんな話をよく聞きます。
僕も23年間の経営者人生の中で、何度も経験しました。
逆に、絵に描いた餅で終わらずに実現した経験もあります。
そこから、両者の違いが見えてきました。
何が違うのか?
今日のテーマは「絵に描いた餅を食える餅に変える」です。
絵に描いた餅で終わってしまう原因は何か?
絵に描いた餅を防ぐためには、次の3つの要件が必要だと考えています。
1、因果関係の見える化
2、スキルの裏付けがある
3、協働
たくらみ屋の相棒、森本繁生は、食える餅に変えるコツをこう言います。
「何を」「何に」「どのように」変えるのか?を考えることだと。
「何を」…現状
「何に」…出来栄え
「どのように」…方法
ここに「なぜ」(理由)が加わりますが、今回は省きます。
「何を」「何に」「どのように」のワンセットが、3つの要件のうちの「1、因果関係の見える化」です。
まずは現状を正確に認識することが大切です。
これ、すごく重要。
例えば、僕は23年間新聞店を経営してきましたが、社長になって5年間ほどは現状を正しく把握していませんでした。
現状とは、ライフサイクルです。
すべての商品、企業、業態、ビジネスモデルには寿命があると言われています。
導入期→成長期→成熟期→衰退期と、時間の経過とともに移り変わっていきます。
そして、今いる位置でやることが変わってきます。
当時、新聞市場は衰退期に入っていました。
新聞だけに依存する商売から脱却する必要があったわけです。
なのに、頭の中が成熟期で止まっていたので「どう営業すれば新聞が増えるか?」しか考えなかった。
もう、スタートラインから間違っていたというわけ。
そこで通販事業に乗り出しました…が、大失敗です。
我社の黒歴史ですが、これも現状把握ができていなかったために起きた悲劇です。
新聞店が持っている資源…配達力、月に1回の集金システム、情報発信力(チラシ入れ放題なので)など、「今持っている資源」を把握せずにエイヤで新規事業に乗り出してしまったのです。
(た)商売のアイデアもある。スキルもある。必ず仲間が助けてくれる。
通販の失敗から学び、自社の資源が活きる業態を考えました。
その結果が、現在行っている地域づくり事業です。
地域コミュニティの活性化事業から、なんと第三セクターのホテルの管理・運営までやっています。
さて、森本繁生が言う「食える餅に変える方法」の中に「どのように」があります。
これが曖昧だと「本当にできるの?」という疑いが生まれ、仕事に集中することができません。
ここで「2、スキルの裏付け」が必要になります。
人が物事に挑戦する時には、最初は「できるの?」という疑いから入ります。
スキルの裏付けがないと、エネルギー不足になり、絵に描いた餅で終わってしまうことが多い。
それが「どのように(方法)」が分かると、できる「かも」に変わります。
こうなって初めて行動のエネルギーが発生します。
ちなみに当社では、地域コミュニティの活性化のためにファシリテーションの技術を学びましたが、学んだ瞬間に気持ちが「できるかも」に変わったことを覚えています。
学ぶことが大切だと痛感したのです。
さて、次は、できる「かも」から「できる」の確信に変わる段階です。
それが「協働」です。
ビジョンを実現するために必要な仕事がラインナップされ、最終的に1人1人に割り当てられます。(指示ゼロ経営では自分から立候補します)
しかし1人では途中で挫折してしまいます。
個々には得意も不得意もあるし、1人では良い知恵も生まれないから。
だから、全員が自分の達成だけでなく、全員の達成を意識することが大切。
「自分はできたからOK」という人がいる組織は全体の達成もありません。
悩んでいる仲間を助ける、悩んでいたら助けを求める。
これが担保された組織であれば大きなことに挑戦できますし、諦めない粘り強さが生まれます。
商売のアイデアもある。スキルもある。必ず仲間が助けてくれる。
行動しては改善しまた行動する…やり抜くことができます。
こうして、絵に描いた餅を食える餅に変わるのだと思います。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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