社員数が多い会社で指示ゼロ経営はどのように取り組むのか?
力を合わせないと達成できない課題に挑戦しているか?
先日、日本経営合理化協会で指示ゼロ経営セミナーを行いました。
94名、過去最多の参加者でした。
楽しかったな〜!
セミナー終了後に、多くの方と名刺交換をさせていただきました。
その中で多くの質問をいただきましたが、一番多い質問は「人数が多くても指示ゼロ経営はできるのか?」というもの。
答えはYESです。
大きな会社でも、デッカイ体育館みたいな場所で1000人が仕事をしているわけではないですよね?
人間の生息数に合った、10人〜20人くらいのユニットに分かれているはずです。
その単位内で指示ゼロ経営はそんなに難しくはありません。
しかし、質問者の意図はその先を行っています。
それはユニットで「部分最適」「タコ壺」が起きてしまうということ。
いわゆるタテ割り組織になってしまうということです。
自分の部署のことしか考えられなくなり、部署間の連携ができない状態です。
製造部と営業部が仲が悪い、そんな事ってありがちですよね。
部門の壁を超えて共創・協働が起きるにはどうすれば良いか?
まずは原理原則から。
ドイチェという学者が1949年に「競争と協働」という論文を発表しました。
それによると競争は「一部の人だけが達成できる目標」を設定すると必然的に起きると言います。
一方、協働は「皆んなの力を集結しないと達成できない目標」を設定すると起こります。
つまり、全員で協働しないと達成できない事に挑戦する事が部門の壁を超えることになるわけです。
タテ割りになる原因は、壁ごときがあっても何とかなる事をやっていることにあります。
部門間を行ったり来たりする人間がいると全体最適が起きる
部分最適から全体最適に変容したホテルがあります。
そのホテルには「宿泊」「ウェディング」「レストラン」の3部門があります。
以前は、それぞれが独立採算制でやっていました。
この制度が部分最適になる原因…環境設定です。
自分の部門のことしか考えられなくなるよね。
でも、お客様はトータルでホテルを評価しますので協働が重要になります。
部分最適に陥り、業績が低迷し、社長は一大決心をします。
独立採算制の廃止です。
全部門で共創しないと今の状況を打破できない、そのために独立採算制を廃止したのです。
必然的に共創・協働が起こる環境設定をしたわけです。
どうなったか?
3部門の中で一番利益率、利益額ともに大きいのはウェディングだそうです。
そこで、ウェディングで稼ぐホテルを目指しました。
出たアイデアが秀逸です。
結婚を控えたカップルのためにウェディングフェアってありますよね?
そこに来たカップルを無条件で無料で宿泊してもらうアイデアが出ました。
一泊数万円するホテルです。
カップルは大喜びですよね。
大サービスですが、実は原価は大したことはありません。
シーツなどの洗濯、アメニティで1000円程度だそうです。
レストラン部門は、カップルが外で飯を食わないように、特別メニューを作りました。
この利益で宿泊の原価はカバーできます。
カップルはこのホテルのファンになり(無料の恩も感じ)、多くがこのホテルでウェディングを挙げたそうです。
商売上手だよね〜
こうした共創が成功する肝は、この企画に各部門が参画することです。
全員でなくても各部門の代表者が参画し、ジックリ対話したくらみ、それを自分の部門に持ち帰り、さらに部門ごとに指示ゼロで深めます。
図にするとこんな感じです。
こうした組織化はリーダーが作らずとも、「こうした組織化が必要」という情報を提供すれば自分たちで考え創り出すことができます。
こうならないと気持ち悪いからです。
各部門の代表者は行ったり来たりで忙しいですけどね。
大きな組織ではこの様に指示ゼロ経営が実践されるのです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!
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