人手不足解消のために賃上げをしたことで人件費が高騰し、倒産に追い込まれた中小企業が急増しています。にもかかわらず人手不足は一向に改善されていません。「安易な待遇の改善」では中小企業の人手不足は解決しないのです。
働く人が企業に求めるものには「待遇」と「働き甲斐」の2つがあります。前者は、労働環境、労働条件、福利厚生、賃金など。後者は、任せてもらえる、他者に喜ばれる実感、チームで協働する愉しさなどです。働き甲斐が多い職場では、仕事が愉しくなり、モチベーションが高まるとともに、豊かな創造性が発動します。
両要因をもとにマトリクスを作ります。
A領域は、待遇も働きがいも高い企業です。当然、大人気ですが数が少ないので、採用される人は限られます。
採用されなかった人の多くは「B領域」に流れます。お金のために我慢して働くという人はC領域に行きますが、今はそういう人は減っています。C領域で懲りて、B領域への転職を考えている人も多くいると思います。
「B領域」こそが、中小企業が狙うべき市場です。
しかし、B領域の企業を希望する求職者は、異口同音に「そういう企業と出会えない」と言います。その理由は、企業側が「そういう人を求めています」と発信をしていないからです。求人広告を見てもらえば分かると思いますが、ほとんどの求人広告には待遇しか書かれていません。